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らっくあまるものBLOG

マーブリングを日頃から活動の一環として取り入れておられる、滋賀県、彦根市にある重症心身障害者通園施設せいふう様に伺い、利用者様(障害のある方)向けのワークショップと職員様向けの勉強会を開催させていただきましたレポートです。

マーブリングと障害者

マーブリングは、ボーダレスなアートです。というのもマーブリングは、大人も子供も、絵が上手い人も苦手な人も、完全に大差なく楽しんでいただけるアートだからです。
作品のみならず、制作過程も驚きと楽しみがある為、非日常の面白い景色を体験できるアートだと考えております。
私は数年前から、マーブリングワークショップを実施する上で、日頃、美しい景色を見に行く事が容易ではない状況にいる方に楽しんでいただけるマーブリングの価値に着目しており、障害者の方や、医療、特別養護施設などとの相性の良さを感じていました。過去には静岡県障害者芸術祭にてワークショップを開催いたしました。

重症心身障害者通園施設せいふう

重症心身障害者通園施設せいふう

彦根市、多賀町、豊郷町、甲良町、愛荘町の滋賀県湖東圏域の地域に住む重症心身障がい者の方を対象とする、通園施設(生活介護)です。在宅で生活している重症心身障がいの人たちへの支援を行なう通園施設として、日々の療育活動等を通じ、利用者個々の福祉の向上に努めておられます。
日頃から、マーブリング・粘土工作・紙細工などの活動を実施されているそうで、今回の勉強会ではマーブリングの素材や技術などをご紹介させていただきました。

利用者様を交えてマーブリングワークショップ

利用者様を交えてマーブリングワークショップ

まず、利用者様(重症心身障がい者の方)に向け、職員様方のサポートをいただきながら、普段らっくあまるもが実施するスタイルのワークショップを体験いただきました。

順番にみんなでコースターを作りました。完成したコースターはおみやげに!!

重症心身障がい者の方は、スムーズに身動きが取れるわけではありませんが、色の選定も可能です。職員様方が好きなお色味を、表情や目の動きから読み取り、それぞれのグループに相談しつつ決めてもらいました。必ずしも言語を介さずとも、まばたき、呼吸、指のわずかな動きなどの視覚から、読み取れる情報って意外と多いのですね。

※事前のヒアリングでは、そんな事ができるのかと不安になっていたのですが、現場では、ああ、出来るだろうなと結構納得しました。やはり体感で得られる現場の温度感は学びが多いです。
話は少しそれますが、””伝の心””というパソコンも今はあったり、重症心身障害者さんの意思疎通や社会と繋がるための装置も手に入りやすい時代になっているそうです。

利用者様を交えてマーブリングワークショップ

ゆっくり水面に模様を描く事ができる方には、職員の方にサポートいただきながら、実践。

利用者様を交えてマーブリングワークショップ

ひっぱる動作ができる利用者さんには、普段櫛に紐を通した道具を使って作業されているようで、今回も使ってみていただきました。

思い思いに楽しんでいただける様子がとても印象的でした。
体がスムーズには動かずとも、意思疎通をはなりながら、時々難しい表情を浮かべながらも、キラキラした笑顔を向けていただける場面もあり、とても賑やかで楽しい体験となりました。

利用者様を交えてマーブリングワークショップ

制作したコースターはその日のうちにお持ち帰りいただきました。私の祖父母が晩年施設に通っていた時期に、その日作ったものや、参加賞をお土産に持って帰ってくるのが、とても微笑ましくて、安易かもしれないけれど真似をして。イベント感にお付き合いいただきました。

職員様向けのマーブリング勉強会

職員様向けのマーブリング勉強会

職員様には、マーブリング模様の描き方と素材について重点的に共有いたしました。

忙しい業務の合間を縫いながら職員様方にご参加いただきました。

マーブリングは順を追って模様を描く事ができるのでそちらもご紹介。


素材については、紙(上質紙、色画用紙)をはじめ、木材、布、皮、また園の方でご用意いただきました、
粘土や陶器にも実践させていただきました。

和やかなマーブリング勉強会

職員の皆様の勉強会中は、テーブルを囲むようにご家族のお迎えを待つ利用者さんも見学されていらっしゃって、いつも一緒に過ごされている職員さんたちが和気藹々と、いろんな素材でマーブリングを実践する楽しそうな様子にとても嬉しそうで、私にもこの空間を楽しんでいらっしゃることが体感できました。

大人のご参加での今回、マーブリングというアートを通じて空間内での一体感(コミュニケーション)が生まれることの意義を改めて感じました。お子様だと私が、僕がやりたい!となり、このところではないのですが。笑

印象的だったこと

感情の昂り

職員さんが楽しそうな表情を浮かべながらマーブリングされている時、時折、足をバタバタさせている利用者の方がいらっしゃいました。
感情の昂りと連動して足が動いてしまう常同運動というのだそうです。日頃投薬で抑えているものの、今日は特に多いですね。と職員さんが伝えてくださいました。感情が動いてくださるきっかけを提供させていただけたならば本当に光栄です。

シーティング

使用されている車いすはそれぞれお身体のうねりに合うように座席背もたれ部分に凹凸をもたせたものでした。重症心身障害である利用者の方の中には、筋肉の緊張が高い痙縮(けいしゅく)の方もおられ、脊髄なども曲がってしまっている状態であったり少しでも楽な姿勢を保つために必要だそうです。こちらの技術をシーティングというらしいです。

アート作品づくりに取り組む事

事前のヒアリングで、代表の古谷様からお伺いしていた事ですが、重症心身障害者である利用者の方は普段の生活で助けてもらう事が自然と多くなるため、ありがとうと言う側が多くなるということ。

アート作品などを通してありがとうと言われる機会を生み出す取り組みはとても素晴らしいですよね。
素敵な個性を利用者様のそれぞれが持っている。それを作品に活かす為のサポート、そして職員の技術向上を大切にしているとのこと。

重症心身障害者通園施設せいふう

まとめ

当事者にしかわからない大変なことはたくさん発生していると思います。それは、健常の方が生きる上でもそうですよね。
ただ、少しでも知ることで見える景色が広がると思います。
私は幸いマーブリングを通して普段見えない景色を見る事ができる立場にいるのですが、全てが分かる訳ではではないにしろ、アートでお力になりながら、皆様にも日頃からの発信を通して、知っていただく事ができれば大変嬉しいです。

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